朝夕ときおり吹きぬける少しばかり冷たい風。
どうやら確実に季節はかわりつつあるようだ。
あんなに苦しんだ暑さもいまや恋しく感じはじめているのには少しばかり驚いてしまう。
ひとの気持は実に贅沢で移ろいやすいものだ。
経済に目を向けてみる。
相も変わらず財布のひもはそう簡単に緩みそうもない。
夏の消費もそれほど活発ではなかったようだ。
残酷なまでの不平等や格差が厳然として存在し改善の糸口も見当たらない。
マーケットもしかりでサマーラリーを期待するも9000円を超えるのがやっとのこと、10000円は遥か彼方で外の熱気とは裏腹にお寒い東京市場の夏だった。
果たして実りの秋はやってきてくれるのであろうか。
11月の中旬まで続く中間決算の数字に一喜一憂する展開であろうか。

震源地を含めて結構なリバウンドを見せている各国市場。
大喧嘩中のアジアの二大国が足を引っ張っている。
そんなこんなで喝を入れようってことではなかろうが48年ぶりにIMF世銀年次総会の東京開催が転がり込んできた。
G7も同時に開催ということで東京はちょっとしたお祭り騒ぎだった。

世界経済やっぱ悪いわよねぇ!

錚々たる面々が集結したのは素晴らしいが、共同声明は下部組織にまかせてしまいラガルドのおばちゃんのこのセリフだけっていうのも気の抜けるはなしだ。

世界が結束してこの難局を乗り切りましょう! 

というおことばも当の日本はお隣様とのご近所トラブルの真っ最中となれば合わす顔もあるまい。
折角の大舞台、ホスト国の財務大臣は直前に変わったばかりでなお且つ世界からみれば素人同然との大バッシング。
海外の紙面でも酷評されるお粗末さ。
世界経済大不況のフロントランナーであることだけは誇示できた叫び
さて、どうやって日本の底力を示すか。
我慢や忍耐を自慢しているときはとうに過ぎ去ったはず。



高橋是清と井上準之助―インフレか、デフレか (文春新書)/文藝春秋

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世界的には緊縮財政がブームになりかけている。
しかし、それはとても危うい道筋であるのはいち早く我々日本人は体験済みではある。
それでも緊縮か成長かという論争はいまもなお激しく対立したままといえる。
嘗ての日本でも大変な論争があったようだ。
高橋の是じい井上の準ちゃんが激しくぶつかり合った。
まさに命をかけた戦いで、ついには本当に命を失ってしまうのだから信じられない。
このふたり先輩後輩の間柄でありながらも遠慮は一切なし。
互いに己の信念をぶつけあった。
お国のため、国民のために。
時代背景は勿論違うが、いまの政治家の軽さは呆れるばかりである。
保身、党利党略といった考えが透けて見え、国会はさながらクイズ番組のよう。
緊縮と成長どちらが有効か、その判断はこちらの本では読者に委ねられている。
緊縮はなんだか貧乏くさいので成長路線のほうがやっぱり高揚感はある。
野田ちゃんの消費税より山中先生のiPSのほうが断然笑顔になる。
北風と太陽だね。
積極財政の是じいは結局軍部の暴走を抑えきれずに道半ばにして事態の収拾を図り損ねてしまったのは頗る残念な結末だった。

先日の日経新聞紙面の経済教室でのこと、プリンストン大学教授のアランちゃんの授業はなかなか興味深かった。
現在世界が直面している危機は 

「ラインハート=ロゴフ=ミンスキー型(RRM型)」

だというでないの。
なんだか新種のUFOのようにも聞こえてしまう。
この世界の混乱が宇宙人の仕業ならトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスが収拾してくれるかもしれない。
こと日本に至っては宇宙人のユッキーが主犯という線も否定できない。
まさに家政婦に変身し身を隠しているジョーンズの出番か。
冗談はさておきこのRRM型の景気後退の意味するところは裏付けのない無節操な債務、レバレッジ、そして資産価格の大膨張に起因するとしている。
嘗ての不況はケインズ型といい、需要の著しい不足で説明がつく。
この場合ほとんどが中央銀行のかじ取りの失敗であったため、金融政策と財政拡大のミックスで解決へと導くことが可能となる。
90年代日本から世界に広がったのがRRM型不況となるわけだが、特効薬が見当たらないのはいまなおこの不況と格闘する我々日本人が示すとおりである。
資産バブルの崩壊により不動産や銀行が壊滅的打撃を被り、金融危機を招く。
この深刻なダメージを修復するには結局気の遠くなるような時間をかけてバランスシートを修復しなければならない。
この辺の理論は元祖バランスシート不況のリチャード・クーのおっちゃんが大家である。
企業も家計も必死に債務の圧縮にはしり二度と借金はしまいと貯蓄に熱心となる。
皆が同時にこの行動をとるためさらなる混乱を生み出す。
低インフレにデフレで債務の価値がアップしてしまうのだから返せど返せどなくならない借金。
家計や企業に代わり政府が需給ギャップを埋めるべく財政の拡大を図る。
国家が借金まみれとなり緊縮へと繋がる。
結果RRM型の不況プラスケインズ型の不況ものっかってくる恐れがあるらしい。
なにせ金利がゼロでも商売に活用しないってことはどんな経済書にも書かれていない。
もし経営者なら無能のレッテルを貼られる事態。
政府の借金も限界まできた。
八方塞に近い状態だが、ECBの国債買い取りプログラムやベンのQE3も何もしないよりはまだましだねという響きに一瞬感じる。
しかしながらパワーがなくても金融政策はやらねばならないし、苦しくても財政出動は思い切ってやらねばならない。
「財政の崖」についてはアメリカのことだから “適当に処理するんじゃない!”って感じでまったく心配していないのは思わず笑ってしまったけどね。

「世界的にみて、マクロ経済への刺激は余り期待できそうにない。世界の多くの国では、ケインズが完全に間違っているのかどうかを確かめる実験が進行中だが、今のところその進捗状況は思わしくない。」

と結んでいる。
やっぱり我々が体験してきたとおりで特効薬はないとのことだが、まずは時間をじっくりかけて債務を圧縮しなければならないことだけは確かなようだ。
成長路線へのマネーの配分方法を間違わなければ出口も早くなるとは思うが・・・。
夢なきところに需要は存在しない。
しかしながら成熟した先進国社会における需要の喚起は極めて高度な判断と強いリーダーシップが重要となる。
我々日本人は無駄なバラまきは充分見せつけられたからね。
それを思えば山中先生の愛PS細胞のノーベル賞受賞はとてもタイムリーで明るく夢のある話題だよね音譜
誰もが笑顔になる夢の技術にマネーの重点配分をお願いしたいものだ。
そして東北の復興にも正しく資金を配分し使ってもらいたい。
シロアリの餌になるのはまっぴらごめんだね。

愛PS細胞が経済を蝕む癌から世界を救う!
ってなことはあるまいがしばらくバイオ関連に頑張ってもらいたいねラブラブ


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現実を買いに行くか、夢を買いに行くか!
株の世界もまた悩ましいねにひひ


次郎DASH!