とうの昔に立秋は過ぎさりもう9月が目の前だというのにまだまだ厳しい残暑が襲いかかる。
過ぎゆく夏を惜しむかのように、はたまた宿題のラストスパートを邪魔するかのような激しい暑さが連日のこった。
みなさま体調は崩されていないでしょうか。
素敵なひと夏のおもいではたくさんできましたでしょうか。
円高の恩恵で海外に飛び出した方も多かったことでしょう。
思いきってロンドンまでオリンピック観戦を決め込んだかたも少なくなかったことでしょう。
そのオリンピック、ジュリーとかいわれる影の審判団の不穏な動きに開催当初はどうなることやらととても心配になりました。
勝手にしやがれ! なんて悪態をつきそうになったのは決してあっしだけではあるまい。
それでも終わってみれば数々の名シーンを生み出し華やかにそして爽やかにその幕を下ろした。
日本選手団も金メダルこそものたりなかったものの過去最高のメダル数をゲットし充分すぎる感動を頂いた。
水泳の北島ちゃんをはじめとして個人で不発だった選手が団体でうっぷんを晴らすという姿も今回は目についた。
フェンシングの太田ちゃんの秒殺はしびれたよね。
日本の総合力を世界にあらためて見せつけられたのはうれしかった。
深夜早朝という時間帯にもかかわらず連日高視聴率をキープしたことは閉塞感漂う日本の貧乏くさい空気を選手と一体となって吹き飛ばしたい。
そんな気持ちが少なからずあったことを感じさせた。
とはいうものの高校野球はいつ始まったのかもわからないままあっさりとおわっていたりして、パワーを頂戴したはずなのになかなか現実にフィードバックしきれないイライラが強烈に募る今日この頃。
秋の気配をまったく感じることができずなんだか蝉の声がむなしくこころに響きわたる・・・。
というのも指数こそなんとか高止まりしてくれてはいるもののなんら盛り上がらない東京マーケットに少なからず原因はありそうだ。
蝉のようにぎゃんぎゃん鳴こうが騒ごうがなかなか商いが膨らんでくれない。
8月の最終日も力なく終えてしまった。
あたりまえだけれどそれもこれもマーケットの真実の姿。
なんとか工夫して乗り切り実りの秋を笑顔で迎えたいものです。



ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録/講談社

¥1,680
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もっといい写真はなかったのだろうか・・・?
この顔から笑顔なんてとても想像もつかない憮然とした表情。
ただムッとしているようにも見えるし何かいいたげな感じがしないでもない。
銀行一筋でサラリーマン人生を全うしかけたが運命のいたずらで最後の最後に郵政に巻き込まれてしまったおっちゃん。
あっしの友人がかの銀行の支店長をやっているので読まされたりするのかと尋ねたところ、そんなことは一切なく話題にもなっていないときいた。
社長が書いた本は社員全員に配って強制的に読ませるなんて会社もあると聞いたこともあったのでちょいとばかり拍子抜けした。
なんら読む気はなかったがその彼も読んでいないというので元来へそ曲がりのあっし、急に読みたくなってしまった。

新聞記者を目指したどこにでもいる平凡な学生。
ちょっとした気まぐれで友人の就活につきあったことが彼の人生を決定づけることになった。
いまでは考えられないが着の身着のままで出かけた面接。
いきなり役員面接までいってしまった・・・・・。
思いとは違う道ではあったが結局無我夢中で行員街道を駆け抜けた。
晩年、自分のなりたかったはずの新聞記者によって激しくそのプライドを傷つけられることになろうとは夢にも思わなかったであろう。
日経新聞のわたしの履歴書風にはなしは進んでいく。
ひょんなことから始まったサラリーマン生活。
いわゆるドブ板営業は最初の数年間だけだった。
調査部を経由し残りの殆どの時間を不良債権との格闘に忙殺されることになる。
調査部時代の同僚はさしさわりのない曖昧なレポートを好んだ。
しかし彼は妥協を嫌い直球勝負、曲がったことをとことん嫌った。
その経験が不良債権処理に活きたという。
それでもその冷徹な判断をもってしてもその処理に何年も時を費やすことになったのはやはり大変な作業であったのだろう。
一見華やかな高度経済成長時代のどろどろとした負の部分をあたかもひとりで背負ってきたような記述がつづく。
イトマン事件のことも触れていたがこのへんの臨場感は「許永中 日本の闇を背負い続けた男」のほうがしびれるがよくぞ書いたなという感じだ。
死人に鞭打つ驚きの記述。
バブル崩壊後も住専問題、消費税、通貨危機、ITバブルなどそのたびごとに不良債権は生み出され決して消えてなくなることはなかった。
地道でひたむきな仕事ぶりは高く評価されることとなり、非営業からは異例の大抜擢で頭取まで登りつめた。
あのゴールドマンサックスからFRBへと転身したポールソンとのやり取りやメガバンク誕生の裏話はなかなか興味深い。
そして郵政へと足を突っ込んだところで針のむしろとなってしまった。
いったい何を間違えたのであろうか。
企業を冷徹に分析する目はなんら衰えていなかった。
政治やマスコミという得体のしれない力、勢力というものの存在を見誤ってしまった。
かつて若かりし頃憧れたマスコミによってそのバンカー生命を奪われてしまったのだ。
経団連を小馬鹿にしたりスピードにこだわったりとおおよそ銀行マンに抱く印象とは程遠い記述もあったりして案外おもろいおっちゃんかもしれないという気にさせられる。

「毀誉褒貶は人の世の性であり、これに抗するほど私は若くない。
かといって毀誉褒貶を誇りにするほど野心家でもない。」

このことばからはやはり無念さが伝わる微妙なものだ。
あらためて表紙の写真を眺めてみる。
ただムッとしているようにも見えるし何かいいたげな感じがしないでもない。
極めて絶妙なバンカーショットに見えてくるから不思議なものだ。
日本経済、山あり谷あり池ありアリ地獄ありでハザードはそう簡単に治まらないであろう。
それでも常に冷静に状況を判断し後悔のない最高の一打でもって乗り切りたいものだ。
勝手にしやがれ!
なんて投げやりにならないようにしないとね。

銀行株、特に都銀においては驚くような配当利回りを相変わらず示現している。
国債暴落にベットしたければ都銀株を狙うべしとの見方をする外資系もある。
極端にざっくりいうと、異常な配当利回りと異常な低PBRは米国金利が低いことにあるとのみたてからのアプローチ。
過去の相関関係をひもとくと米国10年債と日本の金融株の相性は良いという。
デフレに苦しむ日本はさておきアメリカがインフレモードに変化するとみるならばいまの都銀株を狙うことは米国債の空売りに近い意味を持ちそうだとのこと。
バブルはいつ崩壊するかわからない。
その時間的ロスを充分補える利回りは確かに享受できそうではある。
時間と勝負せず気長に向き合えるあなたには一考の余地はありそうだ。
さて、もういちど西田のおっさんの顔を見てみよう。
ん~、やっぱベットする気にはなれませんのぉ~・・・・べーっだ!




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