悪戦苦闘の毎日に忙殺され気付けばカレンダーが一枚捲れていた。
天候も不順ならマーケットはもっと不安定。
となれば投資家のみなさんも営業マンの精神状態ももはや限界に近付いているであろうか・・・・?
4日(月)の寄付きソニー(6758)が見事に1000円をスパッと気持ちよく割って幕を開けた。
TOPIXもバブル崩壊後の安値を無抵抗に更新させた。
20年ぶり、30年ぶりの安値といったことばがあちらこちらのセクターで乱舞し季節外れの“ぶり”が思わぬ大漁となってしまった。
それに先立ち日経平均のテクニカルの世界ではカラスも大はしゃぎしていた。
カラスが三羽現れると不吉の予兆。
売り転換すべしとの合図である。
そんな招かれざるお客様がご丁寧に13羽も続けて出てきたからことは単純ではない。
ただでさえ不吉なカラスに13といういや~な数字。
これで騰落レシオが49%になんてなったら始終苦しむぅ・・・・?
それもこれも含めてマーケットである!と重々承知はしているものの文句のひとつやふたつ、いやみっつやよっつ、いやいやこの際ぐたぐたとたんまり政府日銀に浴びせたくもなる。

それにしても日本の家電業界の見事なまでの散り方は背筋も凍る思いだ。
もちろん家電業界だけではないのだが冒頭のソニー(6758)だけでなくパナソニック(6752)シャープ(6753)そしてNEC(6701)の下げっぷりはあまりにも象徴的である。
国会で政治のお遊びをしている間にお家芸の業界でグローバル経済敗戦となっているのを果たして気付いているのであろうか・・・・。
日銀のなんちゃってインフレターゲットの裏切りがいったいどれほどの時価総額をふっ飛ばしたかわかって頂いているのであろうか・・・・。

そんな中、比較的頑張っていたのがファーストリテイリング(9983)
それでも、グローバル経済の勝者ともいえるユニクロをして5月の国内既存店売上高が前年同月比10%減ったと発表したことが嫌気され順調な足取りだった株価は脆くも崩れ去った。


一勝九敗/新潮社

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フリースやヒートテックなど輝かしい大成功のイメージばかりが先行する。
そんな柳井ちゃんも失敗だらけだったし、巻き込んでしまったひとも少なくないようだ。
しかしながら連戦連勝なんてありえないしまして全勝なんてなにもしていないのと同じことだと。
失敗を重ねその失敗を糧にしチャレンジを繰り返して初めて貴重な一勝を得ることができる。
ある程度の道筋が見えたのならば迷わずやってみる。
失敗を恐れて何もしないことほど愚かなことはない。
柳井ちゃんが優れているのは商品化のスピードでは決してない。
むしろそれは遅いくらいである。
失敗した時の撤退のスピードが異常に早いのだ。
失敗を認めるのもまた能力である。
株式投資においても学ばなければならない重要な要素だ。


ユニクロ帝国の光と影/文藝春秋

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こちらの本はタイトル通りユニクロの負の側面を検証しているが悪意は感じられない。
どんな会社にも他人に話しづらいことは大なり小なり、多かれ少なかれあるかと思う。
大会社ならいざ知らず中小であればなおさらであろう。
格差社会といわれるなか安売りで庶民と向き合いながらも自らは日本の大富豪にエントリーされる超セレブとなれば毀誉褒貶が相半ばするのは当然だろう。
そんな些細なことよりも驚かされたのはユニクロと同業でありながらその基本コンセプトはユニクロの対極にありなおかつ売上にしてユニクロの1.5倍の数字を叩き出し大成功を収めている企業が存在していることだ。
いまとなってはお騒がせのスペインが誇る大企業インディテックス社である。
「ZARA」といったほうがわかりやすいだろう。
柳井ちゃんがライバル視するその会社はとにかくコスト削減を大命題とし外部委託で極限まで体脂肪を落とすユニクロとは明らかに一線を画す。
商品化を全て自国で完結させさらに正社員率はなんと80%を誇る。
柳井ちゃんはいう、経済のグローバル化とはフラット化を意味する、従って資源を持たない日本は生産原価の低減を極限まで追求しなければならず、それはフラット化の結果にすぎない。
そこを避けようとすれば自滅するだけだ。
その考えに異論はなく激しく同意できる。
インターネットは最も富める者と最も貧しい者を握手させることに成功したと理解していた。
ところが「ZARA」はひとあじもふたあじも違った。
ファッション性とスピードを第一とし全てを国内で完結させることを成し遂げた。
ライバル企業からではなく顧客からより多くのものを学ばなければならないという大原則を追求した結果たどりついたのがこの形なのである。
内需の喚起に手をこまねいている多くの日本企業に学ぶべき点は多そうだ。
固定観念にとらわれず柔軟な発想をもつことがいかに重要であるかということを思い知らされる。

せっかく出現した安値圏での赤三兵もむなしく本日は180円安となって終えてしまった。
あ~だ、こ~だともがきながらの毎日ですがあと一ヶ月少々と迫ったロンドンオリンピック
東京市場はあまりうれしくない記録ずくめでしたが、日本選手の頑張りでなんとかマーケットに喝を入れていただきたいものです。
お騒がせのユーロ圏であるがオリンピックに先立ちなんと「ユーロ2012」なる4年に一度のサッカーのお祭りが始まる。
世界中を炎上させそうな勢いの当事者のみなさんが呑気にボール遊びに興じる元気があるのはうらやましい限りである!
といったら怒られそうだねプンプン
踊る阿呆に見る阿呆なんてことばも日本にはあったりするわけで・・・・。
何もかも忘れてご贔屓のチームを応援するのもいい気分転換になるかも。
とりあえず今宵は我らが日本のヨルダン戦の応援でウォーミングアップ。


来週もめげずに頑張りましょう!


良い週末を!




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次郎DASH!