スノー財務長官の後任に、米大手証券ゴールドマン・サックス証券のポールソン会長が指名され祝日議会承認後1ヶ月余り、最近のGSレポートは日米株価についての強気コメントが多数提出されている。11月の中間選挙までに、何か予想外の市場地政学に影響大のサプライズが出るのか、現象面を鳥瞰していきたい(読売新聞614日金融情報参考)

金融家より実業家を重用してきたブッシュ大統領だが、一連の人事刷新には「ゴールドマン・サックス」が投影されている。4月に抜擢されたボルテン新首席補佐官もGSの重役だった。

  ウォール街の有識者はポールソン会長が財務長官指名されたことに驚いている。GSはどちらかといえば、民主党寄りの証券会社である。しかしポールソン会長の個人的政治献金お金のほとんどが共和党向けのため、何度もホワイトハウスから白羽の矢がたてられた。しかし、いまさら不人気のブッシュ政権、威信低下の財務省に転身するのもためられた訳である。

   しかし、4月にポールソン会長夫妻男の子女の子はブッシュ大統領将棋の招待で、訪米中の胡錦涛中国国家主席パンダとのホワイトハウス午餐会ナイフとフォークに出席した。これが財務長官就任の契機となったようだ。ポールソンは中国で発生した新型肺炎SARS流行中でも100回以上訪中して、胡首席とは旧知の仲。名門清華大学の客員教授でもある。ブッシュ政権の人民元切り上げ政策が奏功していないことも熟知している。

  ポールソン会長の就任の翻意はボルテン補佐官の初仕事で、ホワイトハウスの使い走りだったスノー前長官とは全く違う、巧みな連携プレーの演出をするチームづくりの布石のようだ。

   また、61日、ニューヨーク証券取引所は欧州多国籍取引所ユーロネクストとの画期的な合併を決めたが、この交渉の立役者はセインニューヨーク証券取引所(NYSE)グループ最高経営責任者であり、彼もまたGSの元重役。同証券会社―ホワイトハウスー財務省―NYSEを結んだ人民元包囲網大作戦ヒミツはFRBのコーン副議長とも結びつつ、新たな世界秩序づくりに向かって、陣容は整いつつある。株高・ドル高の大作戦はいまホワイトハウスの一室で練られている。

陣容が整ったとき、サプライズが出てくるわけで、中国と米国間での経済サプライズが考えられ、元の切上げだけでなく、中国国内取引所のナスダック上場とかひいてはアジアマーケットの証券取引所間の大同提携とか、すくなくとも対ユーロ経済圏やロシア経済圏を意識したアジア経済圏米国主導でつくられるのではないだろうか(本来は日本そして東京証券取引所が音頭を取るべきにもかかわらず、靖国問題や領土問題で孤立状態となってしまったーこれも米国の思惑と思われるが・・・)日本の安倍政権は従の立場でこのアジア大経済圏のローカルカントリーの一つになることに指をくわえているのだろうか??? そして9月にポールソン新財務長官は中国を飛行機訪問する・・・何を企図する?

 注目銘柄は98日に業績見直し記者会見の新日鉄。

播磨屋打ち上げ花火